ローリング・ストーン誌がオールタイムベストアルバム500のリストの改訂版を発表した。今回の改訂では一度目の改訂、つまり2003年のリストから2012年の変更に比べ、多くのアルバムのリストへの追加、そして順位の変動などがあった。リスト自体は調べればすぐ出てくるので、ここには載せないことにする。
ローリング・ストーン誌のサイトには154枚のアルバムが新たに追加されたと書いてある。これは2003年にリストに入っていたが2012年の改訂で外され、今回のリストにまた含まれたものをカウントしていないと思われる。私が数えたもので2012年のリストから今回のものに入れ替わったアルバムは163枚であると思われる。
ただ1つよく分からなかったのが、2012年のリストに入っていたThe Beach BoysのThe Smile Sessions (381位)が外され、代わりにBrian Wilsonが2004年に発表したSmileがリスト入りしているということだ。そしておそらくこれは、追加したと公表している154枚の中にカウントされていないように思われる。つまりこのSmile/Brian Wilsonを入れた計155枚のアルバムが2012年のリストにはなかったが今回追加されたものである。
(ブライアンのスマイルとビーチボーイズ名義で出たスマイルをほぼ同一視している…?)
要するに2012年のリストから追加された163枚からこの155を引いた8枚は、2003年のリストにはあったが2012年に一度姿を消し、2020年のリストに再び追加されたものだ。
ちなみに2003年から2012年の変更では38枚のアルバムが入れ替わった。
以前、それについても書いているのでよろしければぜひ。
それに比べ今回は150枚を超えるアルバムが入れ替わっている。その数、4倍以上となりかなり大きな変更となった。
アルバムの順位が変わっているものも多い。まぁ150枚以上も追加されているので当然だが。特筆すべきはMarvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)のWhat's Going On(ワッツ・ゴーイン・オン)が1位に躍り出たことだろう。2012年のリストでも6位とかなり上位ではあったが、今回、The BeatlesのSgt. Pepper's...やRevolver、The Beach BoysのPet Soundsをおしのけての1位だ。もちろん上位のアルバムなんてどのアルバムが1位に選ばれようが文句なしではある。しかし多くのランキングで1位に選定されているのはビートルズやペット・サウンズなことが多い。私も発表された時は、お、意外な順番だなとは思った。リストをざっと見ていくと、アフリカ系アーティストのアルバムが多く追加、または順位の上昇がみられる。
他の例を見るとBeyoncé(ビヨンセ)なんかはトップ100の中に2枚もアルバムをランクインさせている。ちなみに彼女の作品は以前の2つのリストには1枚もなかった。
Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー)のSongs in the Key of Life(邦題:キー・オブ・ライフ)は2012年では57位であったが、今回4位と大躍進である。
Prince & The Revolutions(プリンス・アンド・ザ・レヴォリューション)のPurple Rain(パープル・レイン)は76位から8位とこれもトップ10入りを果たしている。
追加と変更が大きく行われている、ということはアルバムの評価などは流動的なものであるということを表しているのだろう。このリストの中には、おそらく発表当時は全く評価されなかったアルバムもあるはずだ。さらにこれからまた再評価されるアルバムも眠っていることだろう。音楽の優劣を言い争ったり、勝手に順位をつけることなぞナンセンスの極みだろうが、一つの指標としてこのリストは多少なりとも役立つだろう。ロックは好きだけどR&Bの名盤って何があるのだろう?どれから聞いてみよう?となったときにリストは参考になるかもしれない。かつての自分がそうだったように…。
追加されたアルバムと順位の変更については今後詳しく書いていきたい。
(先述したアルバムの追加数やタイトルなどに誤りがあったなら申し訳ない。)